情報リテラシーV-2
文責: 村上 正行
情報リテラシーV-2 (シラバス)
(京都外国語大学 全学共通研究科目 2〜4回生対象 2002年度実施)
村上正行 (京都外国語大学外国語学部・講師)
Homepage:http://www.murakami-lab.org/masayuki/
コンピュータを用いたプレゼンテーション技能の習得を目的とし、情報関連の基礎知識を個人または小グループ単位で調査して発表し、 議論を行う。
情報リテラシー能力と一口に言っても、機器を扱う能力だけではなく、情報を発信する力、情報を理解する力、情報を批判する力など、 多様な能力が必要となってきます。授業の中で、これらの能力を向上するためのプロセスを体験させることを考えて、 多様な評価を行ってもらいました。
- 学生に向けて発表し、他の学生から評価を受けることで、さらに自己評価を行う。
- 他の学生の発表を聞き、理解し、(他者)評価を行う
- 授業全体の評価(授業評価)を行う
教員側としても、発表課題以外に、自己評価や他者評価の結果を提出してもらうことで、理解力・批判力などを判断することが 可能となります。学生同士の議論用にWeb掲示板を準備しました。
また、学生が発表するテーマを「情報」というキーワードに関係する内容に絞り、発表を聞くことで情報関連の知識を得ることが出来るように 考慮しました。また、「各国のコンピュータ事情」というテーマを盛り込むことで、外国語大学の特徴を活かすことを狙いました。
前半3回は、PowerPointの基礎的な操作法についての演習を行いました。2回目には、2〜3人のグループを作ってもらい、 授業者から情報に関する発表用テーマを30ほど提示しました。また、情報に関するものであれば、自由に決定してもらっていいことも 伝えました。
| ネット恋愛 | CALL | カナダのコンピュータ事情 |
| ネット事件簿 | 携帯電話 | インドのコンピュータ事情 |
| ネットオークション | ホームページ | 中国のコンピュータ事情 |
| ネット留学 | コンピュータウィルス | 韓国のコンピュータ事情 |
| AI | インターネットの歴史 | タイのコンピュータ事情 |
| ロボット | コンピュータの歴史 | 住基ネット |
| 著作権 | デジタル・デバイド |
この期間では、主にプレゼンテーションの際に注意すべきことなどについて述べ、その後グループでの発表準備に入ってもらいました。 この間、操作法だけではなくて、内容についての質問を受け付けました。AI(人工知能)やウィルスについて調べているグループは、 Webで調べた膨大な資料に困っていたので、12分で発表する中で重要と思うポイントを見つけ出し、他の部分は切り捨てる事も 必要であることについて話しました。
グループ数から計算して発表は12分、質疑はWeb掲示板で行う、ということにしました。ただ、2回目の発表の時に、各グループが 20分近く発表してしまったため、全てを消化できない結果となりました。その分、後日の発表予定を変更して対処しました。
発表後には発表者や聴衆者の理解を深めるために、内容的な補足を授業者が行いました。
情報リテラシー能力を向上するために、以下のような狙いで、多様な評価を行ってもらいました。
まず、自分の作品を他人に見られることを事前に意識することでモチベーションを高めることができる。そして、他者の作品を 評価することを通して、自分自身の評価能力を高めることが可能となる。その後、自分の作品を改めて自己評価することによって、 客観的に自分の作品を見ることが可能となる。
学生の立場として、自分が評価されるだけではないことを意識させる。教員の立場からは、学生の授業評価の結果を通して、 教員が自分の授業を振り返り、改善することができる。
通常の課題だけではなく、学生が行った評価をさらに評価することによって、多面的な評価が可能となる。
今回の授業に対する学生の感想としては、「同じ立場の学生が発表していて、非常に身近に感じられて良く分かった」 「この調査を通して新しいことを体験できて新鮮だった」「緊張して思ってたよりもうまくいかなかった」といったものがあげられました。 他人の発表を聞くことによる動機付けを非常に強く感じた学生が多かったと考えられます。
授業者としても、単に発表内容を評価するだけではなく、他の学生に対する評価を見ることによって多面的に情報リテラシー能力を 評価できたのではないかと思います。
他の学生の発表についての評価や議論を行う為にWeb掲示板を導入しました。Web掲示板の利用を経験してもらうとともに、 議論の流れが見えることによって理解しやすくなることを狙いました。ただ、今回は既成のものをそのまま使ったため、議論などをするには、 使い勝手があまりよくなかったようです。次年度には改善しようと考えています。
Web掲示板での議論が予想よりも盛り上がらず、発表に対する評価が中心となりました。今後、内容に関する議論も盛り上がるような仕掛けを 考えて行きたいと思っています。









